火力14【電験3種 電力】コンバインドサイクルは所内率が小さい!大型所内補機が多いのは汽力のほう 令和4年度下期 A問題3 完全解説

電験3種 電力科目【火力】令和4年度下期 A問題3 誤りは(5)——大型所内補機が多く所内率が大きいのは汽力発電。コンバインドは所内率が小さい

今回は令和4年度下期 電力科目 A問題3を解説します。ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を、同一出力の汽力発電方式と比較した記述から誤っているものを選ぶ問題です。

火力8・火力11と同じテーマですが、今回のねらいは所内率。ボイラ給水ポンプや通風機といった大型の所内補機が多いのは汽力のほうで、コンバインドサイクルは所内率が小さいのが長所です。

出題のポイント

目次

令和4年度下期 電力科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 火力 令和4年度下期 A問題3 問題文
令和4年度下期 電力科目 A問題3 問題文

電験3種 電力科目 【火力】 令和4年度下期 A問題3

 ガスタービン発電と汽力発電を組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を、同一出力の汽力発電方式と比較した記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

熱効率が高い。
起動・停止時間が短い。
蒸気タービンの出力分担が小さいので、復水器の冷却水量が少ない。
最大出力が外気温度の影響を受けやすい。
大型所内補機が多いので、所内率が大きい。

ポイント解説:所内率が大きいのは汽力。コンバインドは大型補機が少ない

(5)が誤り:汽力発電は大きなボイラに高圧の水を送り込むボイラ給水ポンプ、燃焼用空気を送る押込通風機や排ガスを吸い出す誘引通風機など、大型の所内補機を数多く必要とし、所内率(発電した電力のうち発電所内で使う割合)が大きい。これに対しコンバインドサイクルは出力の約2/3をガスタービンが分担し蒸気側の設備が小さいので、大型所内補機が少なく所内率は小さい。問題文は主語が逆になっているので誤り。

その他は正しい:(1)ガスタービンの排熱を排熱回収ボイラで蒸気タービンにも使うので熱効率が高い(50〜60%台)。(2)大きなボイラを温める必要がないので起動・停止時間が短い。(3)蒸気タービンの出力分担が小さいぶん復水器で海水に捨てる熱が減るので冷却水量が少ない(温排水が少ない)。(4)ガスタービンは空気を吸い込む機械なので、外気温が高いと空気密度が下がって最大出力が低下する=外気温度の影響を受けやすい——これがコンバインドサイクルの数少ない弱点。よって答えは(5)。

問題の解説

STEP1 所内補機を思い浮かべる

汽力の大型補機=ボイラ給水ポンプ・押込通風機・誘引通風機など。コンバインドは蒸気側が小さくこれらも小さい。

STEP2 (5)を判定

大型所内補機が多く所内率が大きいのは汽力のほう。コンバインドは所内率が小さい→(5)が誤り。

STEP3 他を確認

(1)熱効率が高い、(2)起動・停止が速い、(3)冷却水量が少ない、(4)外気温の影響を受けやすい——いずれも正しい。

答え:(5)

💡 覚え方
コンバインドサイクルの所内率が小さい理由:出力の約2/3をガスタービンが分担→蒸気側の設備(ボイラ・給水ポンプ・通風機・復水器)がすべて小さくて済む。汽力の大型所内補機=ボイラ給水ポンプ・押込通風機・誘引通風機・循環水ポンプ。コンバインドの長所は「熱効率が高い/起動停止が速い/追従性が高い/冷却水(温排水)が少ない/所内率が小さい/部分負荷でも効率低下が小さい」、弱点は「外気温の影響を受けやすい/排ガス量が多い/単機容量が小さい」。

⚠️ よくある間違い
所内率の主語を逆にしない——大きいのは汽力、小さいのがコンバインド。同じ「多い/少ない」でも**排ガス量はコンバインドのほうが多い**ので、冷却水・所内率と混同しない。外気温の影響を受けやすいのはコンバインド(これは正しい記述なので選ばない)。

まとめ

(1)熱効率コンバインドの方が高い→正しい
(2)起動・停止時間短い→正しい
(3)復水器の冷却水量蒸気タービンの分担が小さいので少ない→正しい
(4)外気温度の影響受けやすい(弱点)→正しい
(5)所内率大型補機が多く所内率が大きいのは汽力→誤り。答えは(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・コンバインドサイクルと汽力発電の比較(火力11):【電力】令和5年度上期 A問題2

・この年度の問題を通しで解く:電験3種 令和4年度下期 問題一覧(全4科目)

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