原子核の構成と、質量の差がエネルギーに対応する関係を問う問題です。『結合した原子核は、ばらばらの粒子より軽い』ことから整理します。
問題文と選択肢|【電験3種】令和8年度上期 電力 問4

問題文
問4 次の文章は,原子核に関する記述である。
原子核は,正の電荷をもつ ( ア ) と電荷をもたない中性子とが結合したものである。原子核の質量は,( ア ) と中性子の個々の質量の合計より ( イ ) 。この差を ( ウ ) といい,結合時にはこれに相当する結合エネルギーが放出される。この質量の差をm[kg],真空中の光の速度をc[m/s]とすると,放出されるエネルギーE[J]は ( エ ) に等しい。
原子力発電は,ウラン等原子燃料の ( オ ) の前後における原子核の結合エネルギーの差を利用したものである。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
出典:電気技術者試験センター・公式問題PDF(該当問題を切り抜き)/公式解答PDF
解答・解説
解答
正答(2)
空欄を埋めた問題文
原子核は,正の電荷をもつ (ア)陽子 と電荷をもたない中性子とが結合したものである。原子核の質量は,(ア)陽子 と中性子の個々の質量の合計より (イ)小さい 。この差を (ウ)質量欠損 といい,結合時にはこれに相当する結合エネルギーが放出される。この質量の差をm[kg],真空中の光の速度をc[m/s]とすると,放出されるエネルギーE[J]は (エ)mc2 に等しい。
原子力発電は,ウラン等原子燃料の (オ)核分裂 の前後における原子核の結合エネルギーの差を利用したものである。
- STEP1原子核の構成粒子を確認する陽子と中性子
- STEP2質量の差をエネルギーへ結び付ける質量欠損 → E=mc²
- STEP3発電に使う反応を確認する核分裂

STEP1|原子核の構成粒子を確認する
陽子は正の電荷を持ち、中性子は電荷を持ちません。電子は原子核の外にある粒子なので、原子核を構成する粒子としては入りません。
STEP2|質量の差をエネルギーへ結び付ける
陽子と中性子が結合して安定した原子核になると、結合に伴うエネルギーが放出されます。その分、結合後の原子核の質量は、個々の粒子の質量の合計より小さくなります。
この質量の差を質量欠損と呼び、対応するエネルギーが結合エネルギーです。質量が単に消えてなくなるのではなく、質量とエネルギーの関係で説明されます。
質量とエネルギーの関係
\[E=mc^2\]
m:質量の差[kg]、c:真空中の光速[m/s]。図のΔmと、問題文のmは同じ質量欠損を表します。

STEP3|発電に使う反応を確認する
ウランなどの重い原子核が分かれる核分裂では、分裂後の原子核などの質量の合計が分裂前より小さくなり、その差に相当するエネルギーが現れます。
核分裂は、原子核を陽子と中性子へ完全にばらばらにする反応ではありません。分裂後も原子核の形で結合しており、反応前後の結合エネルギーの差が放出されます。質量を比べる際は、吸収される中性子と放出される中性子も含めます。
このエネルギーを熱として利用して蒸気を作り、タービンと発電機を回します。軽い原子核を結び付ける核融合とは区別しましょう。

最後に、3つだけ確認
1. 原子核の構成粒子は、陽子と中性子。
2. 結合後の質量は、粒子をばらばらにした場合より小さい。
3. エネルギーの式はmc²。光速は二乗する。

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