電験3種の勉強で、過去問がいちばん効率のよい教材であることに異論は少ないと思います。問題は「何年分を」「何周」「どういう順番で」やるかです。
当サイトは平成18年度〜令和7年度の24回分・1,584問を1問1記事で解説しています。全部を並べて突き合わせたときに見えたことをもとに、使い方を整理します。
過去問からの出題は公式に明記されている
「引き続き受験者の学力を評価するために新しい問題を作成し出題する。また、必要に応じ、過去の出題からの試験問題構成を行う。この場合、近年の技術革新や法令等の改正を反映した所要の修正を行う。」
——第三種電気主任技術者試験に係る問題作成方針より
「過去問と似た問題が出る」ではなく、過去の出題から問題を構成すると公式が書いているのです。これは過去問演習を勉強の中心に据えてよい根拠になります。
実際にどのくらい再出題されているか
| 科目 | 問題数 | 類題・同一問題がある問題 | 割合 |
| 理論 | 432問 | 92問 | 21% |
| 電力 | 408問 | 78問 | 19% |
| 機械 | 432問 | 113問 | 26% |
| 法規 | 312問 | 58問 | 19% |
| 合計 | 1,584問 | 341問 | 22% |
24回分を全部照合した結果、341問(約22%)に過去の類題または同一問題がありました。5問に1問です。
なかには選択肢の並びまで同じ完全な再出題もあれば、数値だけ変えたもの、同じテーマを別の角度から問うたものもあります。法規では6%の直列リアクトル、変流器、B種接地抵抗のように同じテーマが3回以上出ているものもあります。
💡 覚え方
当サイトの記事では、類題がある問題に「この問題は繰り返し出題されています」という案内を付けて、対応する年度の記事へ相互リンクしています。1問解いたら、リンク先の類題もその場で確認すると効率がよくなります。
何年分やるか
結論から言うと10年分(20回分)が目安、時間が取れるなら全部です。
| やる量 | こういう人に | ねらい |
| 直近5年(10回分) | 受験までの時間が短い | 頻出テーマを一通り見る。最低ライン |
| 直近10年(20回分) | 標準的な準備期間がある | 再出題のサイクルをまたげる。ここが費用対効果の頂点 |
| 全24回分 | 余裕がある/2周目以降 | 古い年度にしかないテーマも拾える |
年2回化されたのは令和4年度からです。それ以前は年1回なので、「10年分」は回数でいうと20回分ではなく14回分程度になります。回数で数えたほうが実態に合います。
⚠️ よくある間違い
古い年度を避ける必要はありません。平成18年度〜20年度の問題も普通に再出題されています。ただし法規だけは例外で、法令改正で内容が変わった条文があります。当サイトでは改正を反映して解説していますが、古い問題集をそのまま使う場合は注意してください。
何周するか
| 周 | やり方 | 目的 |
| 1周目 | 解けなくてよい。すぐ解説を読む | 何が問われるかを知る。手が動かないのが普通 |
| 2周目 | 自力で解く。詰まったら5分で解説へ | 解法の型を体に入れる |
| 3周目 | 時間を計って解く | 本番の速度に合わせる |
3周が目安です。ただし全問を3周する必要はありません。2周目で確実に解けた問題は3周目から外し、落とした問題だけを繰り返します。
⚠️ よくある間違い
いちばんよくない使い方が1周目から自力で長時間考えることです。電験3種は1問あたり5〜10分で解ける設計になっています。知らない解法は考えても出てきません。1周目は「調べながら解く」で構いません。
年度順ではなく、分野順に解く
これがいちばん効きます。
年度順に解くと、1回分のなかに変圧器も照明も情報も混ざっています。頭の切り替えが忙しく、記憶が定着しません。一方、「変圧器だけ51問」とまとめて解くと、問われ方のパターンが見えてきます。「この分野はこの式さえ立てれば解ける」という手応えが早く来ます。
当サイトが4科目とも分野別のインデックスを用意しているのはこのためです。
| 科目 | 分野数 | 分野別インデックス |
| 理論 | 10分野 | 理論科目のカテゴリ別 問題一覧 |
| 電力 | 11分野 | 電力科目のカテゴリ別 問題一覧 |
| 機械 | 12分野 | 機械科目のカテゴリ別 問題一覧 |
| 法規 | 11分野 | 法規科目のカテゴリ別 問題一覧 |
⏱️ 本番での進め方
1. 分野別インデックスから1分野を選ぶ
2. その分野を古い年度から順に全部解く
3. 「繰り返し出題」の案内が出たらリンク先の類題もその場で解く
4. 1分野が終わったら次の分野へ
5. 全分野が終わったら、仕上げに年度順で1回分を通して解く
最後の「年度順で1回分を通す」は本番のリハーサルです。分野順の演習だけだと、本番で分野がバラバラに出てくる感覚に慣れません。直近2〜3回分を時間を計って通すと、時間配分の感覚がつかめます。
解説を読むときに見るべきところ
正解の番号を確認して終わりにすると、同じ問題の数値違いが出たときに解けません。見るべきは次の3つです。
| 見るところ | なぜ |
| なぜその式を立てるのか | 式を覚えるのではなく、式を選ぶ理由を覚える |
| 誤りの選択肢がなぜ誤りか | 同じ論点が別の年に「正しいものはどれか」で出る |
| 似た問題との違い | 再出題では条件が1つだけ変わることが多い |
当サイトの解説はこの3点を意識して、1記事あたり平均3,000字以上で書いています。答え合わせだけなら10秒ですが、そこを我慢して読むと2周目が速くなります。
解いた記録の残し方
3周する前提なら、どの問題を落としたかが分かるようにしておく必要があります。凝った管理は続かないので、印を3種類だけにします。
| 印 | 意味 | 次の周でどうするか |
| ○ | 自力で解けた | 3周目から外す |
| △ | 解けたが時間がかかった/自信がない | もう一度解く |
| × | 解けなかった | 解説を読み直してから解く |
2周目が終わった時点で×が残っている問題は、たいてい分野そのものが理解できていないサインです。その1問を繰り返すより、同じ分野の他の問題を解いて型をつかむほうが速く抜けられます。
💡 覚え方
当サイトは分野別のインデックスから同じ分野の問題に飛べます。×が付いた問題の分野ハブへ行き、前後の年度の同じ論点を2〜3問続けて解くと、「この分野はこう解く」という形が見えてきます。
直前期にやること
| 時期 | やること |
| 1か月前 | ×と△の問題だけを回す。新しい教材に手を出さない |
| 2週間前 | 直近2〜3回分を時間を計って通す。時間配分を確認する |
| 1週間前 | 公式の確認と、よく間違える論点の見直し |
| 前日 | 電卓の動作確認、持ち物確認。新しい問題は解かない |
⚠️ よくある間違い
直前期に新しい問題集に手を出すのは避けます。解けない問題が出てきて不安になるだけで、得点は上がりません。この時期は「解けるはずの問題を確実にする」ほうが効きます。
持ち物のうち電卓には条件があります。電卓の選び方で確認してください。
まとめ
・公式が「過去の出題からの試験問題構成を行う」と明記している
・1,584問中341問(約22%)に類題・同一問題がある
・量は10年分(回数でいうと14回分程度)が目安
・3周。ただし解けた問題は3周目から外す
・年度順ではなく分野順に解く
・仕上げだけ年度順で通して時間配分を確認する

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