こんにちは!今回は 電験3種 機械科目 令和4年度下期 問3「三相誘導電動機の構造」 を、スライドを使いながら徹底解説します。誘導電動機の基本的な構造を問う重要問題です。しっかりマスターして合格に近づきましょう!
📌 問題の概要
今回解説する問題は、三相誘導電動機の構造に関する穴埋め問題です。固定子・回転子の役割と、回転子の2種類(かご形・巻線形)の特徴を正確に理解しているかが問われます。
📝 問題文
次の文章は,三相誘導電動機の構造に関する記述である.
三相誘導電動機は,ア 磁界を作る固定子及び回転する回転子からなる.回転子は,イ 回転子と ウ 回転子との2種類に分類される.
イ 回転子では,回転子溝に導体を納めてその両端が エ で接続される.
ウ 回転子では,二次電流を オ ,ブラシを通じて外部回路に流すことができる.
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ.
| (ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 回転 | かご形 | 巻線形 | スリップリング | 整流子 |
| (2) | 交番 | かご形 | 巻線形 | 端絡環 | スリップリング |
| (3) | 回転 | 巻線形 | かご形 | スリップリング | 整流子 |
| (4) ✓ | 回転 | かご形 | 巻線形 | 端絡環 | スリップリング |
| (5) | 交番 | 巻線形 | かご形 | スリップリング | 整流子 |
🔍 問題のポイント整理
✅ 攻略のカギ:三相誘導電動機の「固定子」と「回転子」の構造の違いを理解すれば解ける!
- (ア):固定子が作る磁界の種類
- (イ)(ウ):回転子の2種類
- (エ):かご形回転子の導体の接続方法
- (オ):巻線形回転子での二次電流の取り出し方
⚡ 固定子の役割 ─ 回転磁界を作る
(ア)の解説:回転磁界とは?
三相誘導電動機の固定子には、三相交流を流す電機子巻線(電機子コイル)が巻かれています。この三相交流を流すと、固定子の内部に回転磁界が発生します。
三相交流の各相の電流を \( i_a, i_b, i_c \) とすると:
この3つの電流が120°ずつ位相をずらして流れることで、磁界が空間的に回転します。これが回転磁界です。
💡 ポイント:単相交流では「交番磁界」(行ったり来たり)しか作れません。三相交流だからこそ「回転磁界」が生まれます!
回転磁界の回転速度(同期速度)は次の式で求められます:
ここで、\( f \) は電源周波数 [Hz]、\( p \) は極数です。
🔄 回転子の2種類 ─ かご形 vs 巻線形
三相誘導電動機の回転子は、構造によって以下の2種類に分類されます。
| 種類 | 構造の特徴 | 特性 |
|---|---|---|
| かご形回転子 | 棒状の導体(導体棒)を端絡環で短絡した構造 | シンプル・堅牢・安価・保守が容易 |
| 巻線形回転子 | 三相巻線を持ち、スリップリングで外部回路に接続 | 始動特性の改善・速度制御が可能 |
🏗️ かご形回転子の構造 ─ 端絡環で短絡
(エ)の解説:端絡環(たんらくかん)とは?
かご形回転子は、以下の構造で構成されています。
- 回転子の溝(スロット)に棒状の導体(導体棒・バー)を納める
- 導体棒の両端を「端絡環(たんらくかん)」で接続する
- 全体の形が鳥かごに似ていることから「かご形」と呼ばれる
💡 端絡環(ショートリング・短絡環とも呼ばれる)は、導体棒の両端を電気的に短絡するリング状の部品です。これにより、回転子の導体に誘導電流が流れ、電磁力によって回転子が回転します。
🔌 巻線形回転子の構造 ─ スリップリングで外部接続
(オ)の解説:スリップリングとは?
巻線形回転子は、以下の構造で構成されています。
- 回転子に三相巻線が巻かれている
- 三相巻線は回転軸上のスリップリング(3個)に接続されている
- ブラシがスリップリングに接触し、外部回路に接続できる
- 外部に可変抵抗器を接続することで、二次電流を制御できる
💡 スリップリングは、回転する軸と静止した外部回路を電気的に接続するための部品です。ブラシを介して外部抵抗を接続することで、始動時の大電流を抑制したり、速度を制御したりすることができます。
巻線形誘導電動機の二次抵抗制御では、外部抵抗 \( R_{ext} \) を変化させることで、最大トルクを発生するすべり \( s_m \) を変えることができます:
✅ 解答まとめ ─ 全穴埋め確認
| 空白箇所 | 答え | ポイント |
|---|---|---|
| (ア) | 回転 | 三相交流 → 回転磁界 |
| (イ) | かご形 | 導体棒+端絡環の構造 |
| (ウ) | 巻線形 | 三相巻線+スリップリング |
| (エ) | 端絡環 | かご形の導体棒の両端を接続 |
| (オ) | スリップリング | 巻線形の二次電流を外部へ |
回転 / かご形 / 巻線形 / 端絡環 / スリップリング
📚 重要ポイント・試験対策
よく出る引っかけポイント①:交番磁界 vs 回転磁界
⚠️ 「交番磁界」と「回転磁界」を混同しないように!
- 三相交流 → 回転磁界(磁界が空間的に回転する)
- 単相交流 → 交番磁界(磁界の向きが反転するだけ)
よく出る引っかけポイント②:端絡環 vs スリップリング
⚠️ どちらがどの回転子に使われるかを正確に覚えよう!
| 回転子の種類 | 使われる部品 | 役割 |
|---|---|---|
| かご形 | 端絡環 | 導体棒の両端を短絡(閉じた構造) |
| 巻線形 | スリップリング | 外部回路に接続(開いた構造) |
よく出る引っかけポイント③:整流子は直流機のもの
⚠️ 「整流子(コミュテータ)」は誘導電動機には使われません!
整流子は直流機(直流電動機・直流発電機)に使われる部品です。選択肢に「整流子」が含まれていたら、それは誘導電動機の問題では誤りです。
🧠 覚え方:「かご形は閉じた構造(端絡環で短絡)、巻線形は開いた構造(スリップリングで外部接続)」
📋 まとめ ─ 三相誘導電動機の構造
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定子 | 回転磁界を作る(三相交流を利用) |
| かご形回転子 | 導体棒の両端を端絡環で接続。シンプル・堅牢・安価。 |
| 巻線形回転子 | 三相巻線をスリップリングで外部接続。速度制御が可能。 |
| 正解 | (4) 回転 / かご形 / 巻線形 / 端絡環 / スリップリング |
🎓 今回のまとめ:三相誘導電動機の構造は、電験3種の機械科目で繰り返し出題される重要テーマです。固定子の「回転磁界」と、回転子の「かご形(端絡環)」・「巻線形(スリップリング)」の対応関係を確実に覚えておきましょう!
お疲れ様でした!今回の解説は以上です。他の問題の解説も随時アップしていきますので、ぜひチェックしてみてください。
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