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#34【電験3種 機械】平成25年度 問3 完全解説|三相誘導電動機の回転磁界

こんにちは!今回は電験3種 機械科目の平成25年度 問3「三相誘導電動機の回転磁界」について、スライドを使いながら分かりやすく解説していきます。多くの受験者がつまずきやすい「交番磁界」や「1線断線」の考え方がポイントです。一緒にマスターしていきましょう!

目次

スライド1:三相誘導電動機の回転磁界

電験3種 機械 平成25年度 問3 表紙スライド

この問題は、三相誘導電動機の心臓部ともいえる「回転磁界」の性質について、その理解度を問うものです。回転磁界の不思議な世界を一緒に探検していきましょう!


スライド2:問題文

電験3種 機械科目 平成25年度 問3 問題文スライド

電験3種 機械科目 平成25年度 問3

三相誘導電動機の回転磁界に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1) 三相誘導電動機の一次巻線による励磁と、三相同期電動機の電機子反作用とは、それぞれの機種固有の表現になっているが、三相巻線に電流が流れて生じる回転磁界という点では同じ現象である。

(2) 3組のコイルを互いに電気角で120[°]ずらして配置し、三相電源から三相交流を流せば回転磁界ができる。磁界の回転方向を逆転させるには、三相電源の3線のうち、いずれかの2線を入れ換える。

(3) 交番磁界は正転と逆転の回転磁界を合成したものである。三相電源の3線のうち1線が断線した三相誘導電動機の回転磁界は単相の交番磁界であるが、正転の回転磁界が残っているので、静止時に負荷が軽い場合は正回転を始める。

(4) 回転磁界の隣り合う磁極間(N極とS極間)の幾何学的角度は、2極機は180[°]、4極機は90[°]、6極機は60[°]、8極機は45[°]であるが、電気角は全て180[°]である。

(5) 三相交流の1周期の間に、回転磁界は電気角で360[°]回転する。幾何学的角度では、2極機は360[°]、4極機では180[°]、6極機では120[°]、8極機では90[°]回転するので、極数を多くすると、回転速度を小さくすることができる。

まずは問題文をしっかり読みましょう。5つの選択肢の中から「誤っているもの」を1つ見つけ出す問題です。回転磁界の基本原理から、少し応用的な内容まで幅広く問われていますね。一つ一つの選択肢を丁寧に見ていきましょう。


スライド3:この問題のポイント

問題のポイントスライド
項目 内容
テーマ三相誘導電動機の回転磁界
問題形式誤りの選択肢を1つ選ぶ
難易度★★★☆☆(基礎〜中級)
キーワード回転磁界の発生原理、交番磁界と回転磁界の関係、極数と回転速度の関係、電気角と幾何学的角度

この問題を解くための鍵となるキーワードは4つです。特に「交番磁界と回転磁界の関係」は、この問題の核心部分であり、多くの受験者が混乱しやすいポイントです。これらのキーワードが各選択肢でどのように関連しているか意識しながら進めていきましょう。


スライド4:基礎知識の整理

基礎知識の整理スライド(同期速度・電気角の公式)

問題を解く前に、基本となる2つの公式と1つの重要なコンセプトをおさらいします。

同期速度は、回転磁界そのものが回転する速度です。電源周波数 f に比例し、モーターの極数 p に反比例します。

\[ N_s = \frac{120f}{p} \]

電気角幾何学的角度(機械角)の関係も重要です。幾何学的な角度に極対数(p/2)を掛けると電気角になります。

\[ \theta_e = \frac{p}{2} \times \theta_m \]

そして、どんな極数のモーターでも、隣り合うN極とS極の間の電気角は常に180°である、という点は必ず覚えておきましょう。


スライド5:選択肢(1)(2)を確認しよう

選択肢(1)(2)の検証スライド
選択肢 内容 判定
(1) 三相巻線に電流 → 回転磁界(共通現象) ○ 正しい
(2) 3線のうち2線を入れ換える → 逆回転 ○ 正しい

(1)は、誘導機でも同期機でも、三相の巻線に三相交流電流を流せば回転磁界が発生するという、共通の物理現象を指しています。表現は違えど原理は同じなので、正しいです。

(2)は、回転磁界の発生原理と逆転方法です。空間的に120°ずつずらして配置したコイルに、時間的に120°ずつ位相がずれた三相交流を流すことで回転磁界が生まれます。電源の3本線のうち2本を入れ替えると、相の回転順序が逆になり、磁界の回転方向も逆になります。正しいです。


スライド6:交番磁界を理解しよう

交番磁界の理解スライド(正転・逆転の合成)

重要な分解の考え方

交番磁界 = 正転の回転磁界 + 逆転の回転磁界

(大きさは各々、元の交番磁界の1/2)

単相交流によって作られる磁界は、回転せずに同じ場所で大きさと向きが変化するだけです。これを交番磁界と呼びます。

この交番磁界は、「同じ大きさで互いに逆向きに回転する2つの回転磁界」に分解して考えることができます。正転(時計回り)の磁界と逆転(反時計回り)の磁界を合成すると、上下に振動するだけの交番磁界になるのです。この分解の考え方が、次のスライドで選択肢(3)の誤りを見抜く鍵になります。


スライド7:選択肢(3)が誤りの理由

選択肢(3)が誤りの理由スライド(トルク-速度特性曲線)

選択肢(3)の誤った主張

「1線断線 → 交番磁界 → 正転の回転磁界が残る → 静止時に負荷が軽ければ正回転を始める」

なぜ誤りなのか?

  • 交番磁界は正転成分と逆転成分が等しい大きさで存在する
  • 静止時(すべり=1)では:正転方向のトルク = 逆転方向のトルク
  • → 合計トルク = 0
  • たとえ無負荷でも始動しない!

三相電源の1線が断線すると、モーターには単相交流が供給されることになり、交番磁界が発生します。交番磁界は「正転」と「逆転」の回転磁界の合成ですが、モーターが停止している状態では、正転方向のトルクと逆転方向のトルクは全く同じ大きさで逆向きになります。そのため、互いに打ち消し合って合成トルクはゼロとなり、たとえ無負荷であっても始動することができません。よって、選択肢(3)が誤った記述であり、この問題の正解となります。


スライド8:選択肢(4)(5)を確認しよう

選択肢(4)(5)の検証スライド(極数と電気角・幾何学的角度の表)
極数 電気角(隣り合う磁極間) 幾何学的角度(隣り合う磁極間) 1周期の回転角(幾何学的)
2極180°180°360°
4極180°90°180°
6極180°60°120°
8極180°45°90°

(4)は電気角と幾何学的角度の関係です。極数が増えると、隣り合う磁極間の物理的な角度(幾何学的角度)は小さくなりますが、電気的な角度である電気角は常に180°で一定です。正しい記述です。

(5)は極数と回転速度の関係です。同期速度の公式

\[ N_s = \frac{120f}{p} \]

からわかるように、極数 p と回転速度 Ns は反比例の関係にあります。したがって、極数を多くすると回転速度は小さくなります。正しい記述です。


スライド9:解答まとめ

解答まとめスライド(正解は選択肢(3))
正解:(3)
選択肢 内容 判定
(1)回転磁界の発生原理○ 正しい
(2)回転方向の逆転方法○ 正しい
(3)1線断線時の始動× 誤り
(4)電気角と幾何学的角度○ 正しい
(5)極数と回転速度○ 正しい

1線断線で生じる交番磁界では、正転成分と逆転成分のトルクが静止時に等しく打ち消し合うため、たとえ無負荷でも始動することができません。よって正解は(3)です。


スライド10:試験対策のポイント

試験対策のポイントスライド(3つのポイント)
ポイント 内容
交番磁界と始動トルク単相交番磁界では静止時の合成トルクはゼロ。回転中は正転成分が優勢になり回転継続可能。
電気角は常に180°隣り合うN極とS極の間の電気角は、極数によらず必ず180°。
極数と同期速度の関係Ns = 120f / p。極数pを2倍にすると同期速度は1/2になる。

単相誘導電動機がコンデンサや分相コイルを使って擬似的に二相の回転磁界を作って始動するのは、この「始動トルクがゼロ」という弱点を克服するためです。この背景知識も覚えておくと応用が利きます。


スライド11:まとめ

まとめスライド(正解(3)と5つのポイント)
  • 三相誘導電動機の回転磁界は、120°ずつ位相がずれた3相電流によって生じる
  • 交番磁界は正転・逆転の回転磁界の合成であり、静止時は始動トルクがゼロ
  • 1線断線時は交番磁界となり、静止状態からは始動できない(選択肢(3)が誤り)
  • 電気角は極数によらず隣り合う磁極間で常に180°
  • 極数を増やすと回転速度を下げることができる
正解:(3)

お疲れ様でした!今回は三相誘導電動機の回転磁界に関する問題でした。特に、交番磁界を「正転」と「逆転」の2つの回転磁界に分解して考える、という点が理解の鍵でしたね。この考え方は非常に重要なので、ぜひ覚えておいてください。この記事があなたの学習の助けになれば幸いです。

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